女性社員インタビュー

  • 最終更新:2019/09/03

    私の仕事は「本当のユーザーに届けること」。葛藤の末つかんだ、自分の夢を叶える場所

    “本”+ “コンシェルジュ”で「ホンシェルジュ」。斜陽と言われてひさしい出版業界に一石を投じようと、どの出版社にも依存しない、「本に対するあいまいなニーズ」に応える記事で、2年半で月間1,000万PVを叩き出すまでに成長してきたウェブメディアがある。
     その編集として3月に入社した伊東かずみさんは、少し前までは大手広告代理店で営業として活躍していた。なぜ25歳の今「メディア」を選んだのか、彼女のこれまでと今後の夢を追った。

    入社3ヶ月でライター養成講座の責任者に。突き動かしたのは、ライターへの想い

    入社して1ヶ月は見よう見まねで、記事の編集作業を担当。ライター達から毎日送られてくる記事の事実検証や校正を行なっていた伊東さん。その作業を進めながら生まれた問いがあったという。
    「もっと質のいい記事をユーザーに届けるには何ができるだろうと思って。そうすると記事を書いている人もユーザーであるということに気がつきました。ライターさんは一生懸命書いてはいただいているものの、あと少し表現が良ければその熱意が届くのにともどかしさを感じる時があるんです」
    本・漫画の購読者が減っているとは言われているものの、作りたい人はまだまだいるはず。その確信が生まれ、社長にライター養成講座開講を打診した。広告代理店時代に培ったイベント運営の経験もアピールし、企画は見事通過。入社3ヶ月目にして、8月の講座開講の責任者を任されることとなった。社員数名のベンチャーのため、事業責任者とはいえ、ターゲットの決定から講師候補の洗い出し、会場探しまで泥臭い作業もこなさなければならない。代理店にいた頃は分業していた作業を一人で回していると新しく見えてきたこともあった。

    超多忙な日々に違和感と虚しさを覚えた広告代理店時代。私のやりたいことって?

    流行しているもの、世の中に影響を与えるものに興味があり新卒で大手広告代理店に入社した伊東さん。広告業界に行きたいという想いが叶った就職だったが、仕事をこなせるようになってくるとある感覚が芽生えたという。
    「代理店がひきうける広告はあくまで“マス”が対象なんです。大手クライアントの案件を1年目から任せてもらい、やりがいはありました。でも、イベントが成功しても、実際の購買行動をしているユーザーと接する機会はなくて」と当時を振り返る。
    2年目を迎えると量・質ともにヘビーな業務が増え、プライベートな時間はどんどん削られていった。
    「初めは違和感のようなものだったんですが、自分の仕事は本当のユーザーに届いているのかという虚しさを感じるようになってしまって。一回業界から離れてみようと思い、求人広告のライターに転職しました」と初めの転機について語った。伊東さんの書いた求人広告で採用につながったという企業の担当者の声はやりがいにはなったものの、この場合のユーザーは転職者だ。もっとユーザーに近づきたい、ユーザーのためになる仕事がしたい。そのような想いを募らせていったという。
    そんな中、掛け持ちで働いていた飲食店でホンシェルジュの編集担当・十河さんと出会う。「本と人の出会いをつくるメディア」という言葉にピンとは来なかったものの、リアルタイムでユーザーの反応がわかるウェブメディアの世界は伊東さんにとって興味深いものだった。

    自分で決めて進められることが楽しい!自由度の高い職場で見つけたやりがい

    ホンシェルジュとの出会いのきっかけを作ってくれた十河さんは、メディアの編集を本業でしつつ副業でアルバイトをしていると打ち明けてくれたそうだ。伊東さんは、その働き方にも興味を持ったという。十河さんの口から語られる働き方は、編集長以下トップダウンといわれるメディア業界のイメージからは程遠い、自由度の高いものだった。
    「楽な仕事ではないけれど、自分で仮説を立てたことに即挑戦させてもらえることがこんなに楽しいとは思いませんでした」といきいきと語る伊東さん。当初はライティングのスキルを強化し、独立や転職を目指す講座を設定していたが、「ホンシェルジュ」のライターとのコミュニケーションや、読者から支持をあつめている記事の内容を通じて、あることに気付いたという。
    「講座を受けるニーズって、『行動できる自分になるためにあと少し自信をつけたい』ということではないかと気付いたんです。私は気持ちをどんどん切り替えて行動してしまうんですが、まわりの友達を見ていると、仕事に悩んで戸惑っている人って多いなとおもいました」
    自分が担当していたからこそ、講座の方向転換もすぐにできた。講座の枠組みを1から見直し、ランディングページのデザインも躊躇なく変えていく。
    「自分が動かないと変わらない。この想いは代理店にいた頃からありました。ただ、組織が大きいと自分が動いても変わらないという葛藤もあって。今は、自分以外にやる人がいないという、良い追い込まれ方をしています」と笑みをこぼす。

    かつて抱いていた夢を違う形で実現。本と人を繋げてやりたかったことを叶えていく

    「私、中高時代の夢が漫画家だったんです」
    インタビューも終わりを迎えようとしていた時に、少し恥ずかしそうにこうつぶやいた伊東さん。絵を描くことが好きで、漫画家をあきらめたあともイラストレーターになれないかと模索した時期もあったのだそう。だからこそ、「描くこと、発信すること」を何かしらの形で続けていきたかった。その想いがあったから、広告業界やライターといった、どこかで自分が発信の担い手である業界を選んできたのかもしれない。
    「漫画が好き」という想いはあったものの、それは趣味として持っているしかないと思っていたし、自分が「作り手」になりたかったら出版社に勤めることは候補にも入っていなかったという。社会人になっても読み続けていた漫画を「おすすめ記事を作る」という形で仕事にすることができたのはホンシェルジュと出会ったからこそ。
    「ホンシェルジュと出会えたことで、小さい頃から持ち続けていた夢を、視点を変えて実現できました。おかげで、働くやりがいを取り戻すことができたんです。表現すること、発信することの楽しさをユーザーにも体験して欲しいから、今携わっている講座の企画を実現していきたいです」
    伊東さんは熱い想いを胸に、「社会人が発信する力をつける」講座の事業を進めている。この講座を受けた人たちが伊東さんのように、自身の夢を新たなかたちで実現できる日も、そう遠くはないのかもしれない。