女性社員インタビュー

40歳。躊躇すらした職場復帰。彼女の活躍を支えるのは、仲間の存在と自身の挑戦心。

  • 最終更新:2017/12/07

    諦めかけたキャリア。そこから一転。彼女が摑み取った功績の秘密とは

    出産後、一度は退職も考えた。だが、周囲の後押しをきっかけに復職を決断した細谷さんは、復職を機に更なるスキルアップ、キャリアアップを華麗に果たした。社外の接客ロールプレイング大会での最上位入賞、社内の優れた販売スペシャリストに授与される「セールスマスター」認定など、出産前と変わらぬ、むしろそれ以上の華々しい功績を残す。現在は復職後7年目になるが、今も短時間勤務制度を利用しながら17:00までを勤務時間としている彼女のワーママ、時短というハードルを感じさせないその秘訣に迫った。

    退職の思い→復職の決意

    当初、復帰は難しいと感じていたという細谷さん。辞めることも考えている中、人事の方から言われた「せっかく頑張ってきて責任ある立場に立てているのだから、ここで辞めてしまうのはもったいない」と言う言葉に背中を押され、復帰を決断したという。

    「でも最初は不安が大きく、実は『復帰して半年続けられたらいいな』くらいの気持ちでしたね。」

    不安は現実のものとなり、復帰直後は、時間に制限があることになかなか慣れなかったという。

    「産休に入る前は、時間がある限り仕事のことを考えているのが常でしたし、性格上人に頼ることも苦手だったんです。でも、頼れない、集中して仕事をしたい、手を抜きたくない、と前と同じ調子で仕事をしていては、時短の時間内では終われないんですよね」

    そんな葛藤を抱える細谷さんが、自分らしく働けるようになったのには、それもまた周囲の人からのサポートと細谷さんらしさを生かしてくれる環境があった。

    「改めてまわりの人に恵まれていることを実感しました。当時の店長がすごく柔軟に対応してくれて、システマチックに物事を進めるのではなく、私の仕事や役割をあえてグレーにしてくれていたんです。『細谷さんは、笑顔で売り場に立って接客してくれたらいいからね』と、その言葉で本当に救われました。このときのことは今でも感謝していて、現在お互いの職場は離れているのですが、家族ぐるみで交流が続いています。」

    細谷さんが産休を取った2010年当時は、産休を取っている人もそれほど多くはなく、前例も少なかった。だがそんな中でも人事担当者や店長など周囲が理解とサポートをしてくれた事で、半年だけと思っていた気持ちも自然に消え、キャリアを諦めずに進んで来られたのだ。

    「ここで私がきちんと成果を出すことで、続く後輩が安心して仕事ができるような道筋をつくりたいと思っています。」
    そう語る細谷さんの表情はとても力強い。

    「空回りしているように見えます」の一言に・・・

    「細谷さん、空回りしているように見えます。任せるところは私に任せて欲しい」

    周囲のサポートを受けながら、出産前のように自分らしく働ける環境と前向きな気持ちを手にした細谷さんだが、ある時スタッフから言われたこの一言で、彼女の働き方は大きく変わった。

    順調に滑り出せている中で「人を頼る」という自身の改革をできずにいた、大きな課題だった。

    この言葉をきっかけに、周囲のスタッフに少しずつ仕事をお願いするようになったという細谷さん。そうしてみることで初めて気付けたことがたくさんあったと語る。

    「若い世代は本当に頼れる存在でした。手取り足取り1から10まで教えなきゃと勝手に思い込んでいた事が恥ずかしくなるくらい、彼らの仕事ぶりは素晴らしくて。1言ったら10以上理解してくれ、お客様目線で先回りして対応してくれたり、どれだけ助けられたかわかりません。」

    周囲を巻き込むという「苦手」を克服し、また一つ大きく成長できたその裏にも周りの人からの助言があったのだ。

    限られた時間の中での新たな挑戦

    2014年には㈱ルミネ様主催の接客ロールプレイング大会「ルミネスト」でゴールドを受賞した細谷さん。

    「2013年の大会に初出場しました。やるからには、本気で臨みたいと思ったのですが、当日はあまりの緊張で頭が真っ白になり、何の賞も取れずユナイテッドアローズの連勝記録を自ら潰すというさんざんな結果で…。これじゃ終われないと悔しい想いから、翌年も挑戦しようとスイッチが入りました。」

    実際に翌年2014年はルミネストゴールド準優勝。細谷さんのその1年にはどのような努力があったのだろうか。

    「一客ずつの接客に対して、振り返りノートをつけました。家に帰っても机の上は雑誌と資料の山。そんな状況でしたが、娘は嫌がるどころか励ましてくれました。お店のスタッフもみんな応援してくれて、、、私が集中できる環境を周りがつくってくれたんです。みんなの想いを結果に結び付けられて本当によかったです。」

    細谷さんの快進撃はまだ続く。翌年の2015年にはユナイテッドアローズ全販売スタッフの中から優れた販売スペシャリストだけに授与される「セールスマスター」の称号を獲得。
    セールスマスターは、笑顔や声、立ち居振る舞い、お洒落を通して他のスタッフをリードしているか、人間的な魅力により複数のお客様から支持されているか等の定性面と、売上実績といった定量面の両方をバランスよく満たす人物が選ばれるのだそう。細谷さんは、現在(2016年8月時点)活躍する40名のセールスマスターの中のひとり。この制度は2年の任期制で、認定者にとっては、日々の努力を継続することが求められる栄誉ある称号だ。

    お客様に価値を手渡すヒト

    ユナイテッドアローズ社の創業者で名誉会長の重松さんに憧れて、一緒に働きたくてこの会社に入ったと語る細谷さん。重松さんが提唱されている「販売員は、価値をお客様に手渡す人」という言葉を常に心に刻んでいるという。

    「それを体現出来るよう日々努めています、お客様が店を出るときに笑顔でお帰りになってもらえるような一期ごとの接客が信条です。おかげさまで今は多くのお客さまにご支持頂き、お客さまの問題を解決するお手伝いができることに充実感を得る毎日です。」

    細谷さんの華々しい功績の裏にも、やはり迷いや葛藤があった。ただそこには常に本社機能や現場スタッフなど周囲の支えと理解、そして何より細谷さん自身のたゆまぬ努力と挑戦があったのだ。