女性社員インタビュー

33歳。6年前OLを辞めて飛び込んだ経営の道。やれるのは今しかないと思った。

  • 最終更新:2019/09/03

    無謀と思えた目標に向かっての挑戦

    2011年に大分の郷土料理の居酒屋として「ウラニワ」はオープン。
    第一号店は、京王線のつつじヶ丘駅。社長である旦那さんと共に始めた、人生初の飲食業。
    店舗立ち上げから、マネージメントに、アルバイトと社員の採用、教育、経理、広報まですべての業務をこなす加藤さん。1人の人間がそんなにマルチにこなせるものだろうか。
    「小さい会社だったので、やるしかなかっただけ。すべてが手さぐりの連続でした」

    まずは、簿記の勉強から始めたと言う。
    「数字に慣れるまでがとにかく大変。でも、経理ができるようにならないと会社として回していけないですからね。近くに相談できる人もいなくて孤独。正直つらかったです」

    旦那であり社長でもある彼の目標はオープンから4年以内に10店舗をオープン。
    「そんなこと本当にできるの?って。最初は無謀だなって思いました。でも、一度決めたらからついていくしかない。そう思って、とにかくがむしゃらに時間が過ぎました」

    旦那さんの覚悟と気合いが、加藤さんのやる気を奮い立たせたのかもしれない。
    二人三脚でひた走りその目標を達成してきた。

    独立を目指す旦那の後を追って大分へ

    元は求人広告の営業職としてバリバリと働いていた加藤さん。
    結婚後、同業だった旦那さんが独立のため退社。そして、すぐに大分へ修行に向かった。

    「独立して何かをしたいと考えていた旦那が、飲食店をやることになったんです。彼の父が大分の出身。大分の料理を出そうと思って、大分へ修行に行きました。すぐに私も退社して、後を追う様に大分に向かい、2人で1年ほど大分で暮らしました」

    その後、都内で店舗物件が見つかり、「ウラニワ」第一号店をオープンさせた。

    右も左も分からない飲食業。 不利な条件をどうプラスに変える?

    1店舗目の立ち上げはほぼ旦那さんと2人。
    まずは、オープン前から、飛び込み営業をする日々。

    「地元の住民の方や企業に、『こういうお店です』ってご挨拶に回りました。まずは知ってもらうことからですからね。でも、ほとんどの方から、なぜこの場所に?って言われましたね」

    なぜなら、1店舗目は駅から遠く、ひと気の少ない住宅街。
    「馬鹿にされることもありました。こんな場所に出して大丈夫?って」
    というのも、ウラニワは、負債店舗を引き取り、リノベーションして新たな店舗に生まれ変わらせる手法を取っている。なので、必然的に、『人通りが少ない』、『分かりにくい場所』といった、ハンデのある場所に店舗を出す。

    「うちとしては、初期投資がかからずできることが大きな利点。負債店舗にはある程度の設備が揃っていますからね。そういうお店を流行らせることが出来たときこそ、やりがいを強く感じます」

    ひと気が少ない、立地的に条件が良いと言えない場所をどのように活かしたのか。
    「地域の特長をつかむことです。店舗の周りを何度も歩いてリサーチしました。苦しかったですね。これで誰も来なかったらどうしよう、っていう恐怖もありました」

    オープン前の入念なリサーチによって、加藤さんが導き出したのは、なんと「5時間飲み放題プラン」。
    「住宅街では、女性、特にママたちのニーズが多くあると思ったんです。女性はおしゃべりが好き。そうなると、普通の2時間プランじゃ足りない。そこで、5時間の飲み放題プランや女子会プランを作ったんです。それが当たりました。近所では、子連れで行ける居酒屋として認知していただいたのが大きかったですね」

    結果、そのプランが口コミで広がり、「ママと子どもが来やすい店」、「女子会にいい店」と認知されていった。

    「今だから思えることは、諦めなくて良かったということ。馬鹿にされたことが悔しいって思ったのも原動力のひとつ。でも、それよりも、最初に掲げた4年以内10店舗という目標があったから。最初の1店舗目でこけるわけにいかないですからね」

    “実力主義”だからこその強いチームワークが、お客様に愛される店をつくる。

    何もわからずに飛び込んだ飲食の世界が今では本当に面白くて、と語る加藤さん。
    「飲食業界は未経験ですが、前職の営業と同じなんですよね。単純に売るものが違うだけ。あえて違うとしたら、営業は1人で取ってくるけど、飲食店はチームワークで数字を出すところ。料理を作ってくれる人がいないと、どんなに営業しても成り立たないですし。適材適所でみんなが能力発揮し合うのが、刺激的で楽しいです。そのチームワークがいい雰囲気で回っていると、お客様にも愛されるお店、つまり繁盛店になる。そのプロセスを肌で感じています」

    今の会社の好きなところは、実力主義だからと迷わず言う。
    「自分で工夫して営業をして、売り上げを上げた子にはいくらでもお給料は出すっていうスタンスが会社にはあります。売り上げ目標は社員だけじゃなくアルバイトにも共有します。社長も私も営業あがりだから、結果重視。売り上げを上げることを常に考えていて、それができる人は会社の中でも本当にイキイキとしています」

    次なる目標は…、もっと営業力を極めてさらに飛躍したい!

    これまでは、店舗にも立ち、慣れなかった経理も出来るようになり、すべてをこなすところから、もっと一歩踏み込んだ働き方をしたいそう。

    「企業に飛び込み営業を強化してみたいなって思っています。これまでの経験から、売れるものがどういうものかが見えてきたので、どんどん営業に行って、宴会などの予約を取りに行きたいです。普通の飲食店ではあまりやらないことかもしれませんが、だからこそあえて挑戦していきたいです。それがチームワークとしての私の役割と強みだと思っています」