「ジョブ型雇用」で新卒採用はどうなる?うまく付き合っていく方法は?

  • 最終更新:2020/12/07

    昨今、大手企業を中心に「ジョブ型雇用」への移行が広がっています。従来の雇用制度とは異なり、仕事に合わせて人を雇用する制度のため、職務経験がない新卒には不利な状況と思われます。ここではジョブ型雇用の定義や特徴を踏まえつつ、ジョブ型雇用の中で新卒はどう活路を見出していくべきかをご紹介します。

    そもそもジョブ型雇用とは?背景は?

    ジョブ型雇用とは「仕事に合わせて人を雇用する」採用スタイルのこと。そのため、職務内容が限定され、給料はスキルや成果重視のため職務給。会社都合での転勤はなく、自分の裁量で会社と約束した成果を上げていくことに。OJTや研修もないため、個々が自主的にスキルを身につけていく必要があります。このようなジョブ型雇用が増えた背景として、グローバル化に伴う国際競争力の強化・専門技術者不足による人手不足・ダイバーシティーの浸透・終身雇用前提において高止まりする人件費を抱えきれないといったものが要因となっています。また、もはや「同じ時間・同じ場所で一緒に働く」ことが当たり前ではなくなった現状も影響しています。

    ジョブ型になったら新卒はどうなる?

    徐々に変化しているものの、現在の日本の雇用スタイルの多くは「学歴年齢重視」「終身雇用が前提」「新卒一括採用」「1年目からOJTや研修あり」「年功序列で昇格しつつ成長していく」という流れ。職務経験がない新卒が社会人としてスタートしやすい、恵まれた環境です。しかし、企業がその職務に合う人材を探すジョブ型雇用に移行していくと、新卒は会社に育ててもらうことはできません。このまま新卒は職務経験者にポジションを奪われてしまい、キャリアを積めなくなるのでしょうか。

    新卒がジョブ型雇用に負けないためには

      経験者採用が一層増える今後、社会経験・職務経験がない新卒がキャリアを積んでいくためにはどんなことを行えばいいのでしょうか? インターン経験や自分自身でキャリア設計をしていくことも手段の一つですが、若者ならではのスキルを磨くこともジョブ型雇用に対応していく手段になります。例えば、SNSなどデジタルを活用したビジネスは、ベテラン社会人よりもZ世代である今の新卒世代の方が秀でている可能性があります。今までの商習慣にとらわれないことも強みであり、独自性や専門性が必要とされるジョブ型に適応できるかもしれません。学生のうちにSNSでフォロワーを集めたりCtoC ECを経験したりすることが、ビジネスに役立つ強みとして活きるかもしれないのです。

      ジョブ型雇用を恐れない

        企業がジョブ型雇用をいきなりすべての従業員に適用することは、当面の間なさそうです。現行の雇用制度と並行して取り入れたり、限定した職種で活用したりすることが予想されます。今までの雇用制度と異なり戸惑うこともあるでしょう。しかし今のうちにスキルを高め、独自性・自立性を確立すれば、ジョブ型中心の社会になっても希望するキャリアを作ることができます。

        ●ジョブ型雇用は仕事に合わせて人を選ぶ
        ●しばらくは現行の雇用制度と一緒に使われる

        ●若者ならではの仕事をして独自の強みを持っておく