1歳の子と歩んだ2700日。未経験パートから正社員、2度の復帰を支えた「お互い様」の魔法
公開日:2026年4月17日
最終更新日:2026年04月17日
三陽工業株式会社
「子育てをしながら、責任ある仕事も諦めたくない」。そう願う一方で、急な発熱や時間の制約に心苦しさを感じるママ・パパは少なくありません。三陽工業株式会社の広報課で働く江草さんは、1歳の子を持ちながらのパート勤務からスタートし、正社員、そして産休・育休を経て復帰しました。彼女がなぜ「この会社なら大丈夫」と確信できたのか。そこには、制度では語れない井上社長が掲げる「強くて優しい」組織の在り方と、仲間の温かな眼差しが息づいています。
江草さんのプロフィール
パート
完全出社
時短勤務(9時~14時)
2人
8歳・4歳
男の子、女の子
出産予定日の42日前
2人目の子どもが1歳になる直前まで
2人目の子どもが1歳になる直前
「手に職」を求めた医療事務から、未経験の広報へ。一歩踏み出した勇気が人生を動かす
江草さんのキャリアのスタートは、医療事務でした。当時は「何か資格を」という一心で選んだ道でしたが、結婚と出産を経て、生活の優先順位は一変します。1歳の子どもを抱えながら「自分に何ができるのか」と自問自答する日々。そんな模索の中で出会ったのが、三陽工業の広報職でした。
当時の彼女は広報の実務経験が全くありませんでした。
それでも、
「新しいことに挑戦してみたいという気持ちが勝ったんです」
と振り返る。その純粋な好奇心が不安を上回り、2018年8月、まずはパートタイムとして入社。立ち上げ間もない広報課で、SNS運用や社内報作成に手探りで向き合う毎日が始まりました。
未経験の分野に飛び込む怖さはなかったのか。ふと、そんな疑問が頭を過りましたが、江草さんの言葉からは不安よりも「自分の手で何かを形にしたい」という静かな情熱が伝わってきます。その前向きな姿勢が評価され、入社1年後には正社員へ。子育てと仕事、二つの輪郭が少しずつ重なり始めた瞬間でした。

広報課で社内報作成、SNS運用、式典運営等、幅広い業務に携わる江草さん。写真・動画撮影から動画編集、記事作成に至るまでマルチに対応する。「自分で考えて進めた企画の投稿に反応があるのと嬉しいです!」
「やりたい」を形にできる自由。社員を「家族」と想うトップの信念から生まれた社内風土
三陽工業で働き続ける理由は、単に「条件が良いから」だけではありません。個人の裁量が大きく、挑戦を後押ししてくれる文化がそこにはあります。SNSのフォロワーを伸ばすための企画を自ら立て、実行に移す。
「自分で考えて動けることが、仕事のやりがいにつながっています」
自律して動ける環境が、彼女の仕事への誇りを育てていきました。その背景にあるのは、井上社長が掲げる「強くて優しい会社」という揺るぎないビジョン。
「会社が良くなるためには、まず社員が幸せでなければならない。制度を作るだけでなく、それが当たり前に使える空気を作ることが僕の仕事です」
井上社長はそう断言します。
製造派遣という、ともすれば効率が優先されがちな業界にありながら、同社は驚くほど社員一人ひとりの人生に深く寄り添います。入社間もない社員の育休取得を認めるなど、制度の「運用」における柔軟性は、一般的な企業の枠を軽々と超えていきます。制度という無機質な「ハコ」があるだけでなく、そこに通う「血」が温かい。これこそが、江草さんがこの場所を離れない本当の理由なのでしょう。

長男が小学校に上がるタイミングで現在の時短勤務を相談したところ、二つ返事で快諾していただきました。大好きな仕事を続けながら、子どもたちとの時間も大切にできるこのバランスは、とても心地いいです。
2度目の復帰で直面した「時間の壁」。心を救ったのは、上司が放った「お互い様」の温度感
2021年、江草さんは第2子出産のために産休・育休に入りました。翌年4月の復帰時の不安度は50%と振り返る江草さん。心に影を落としたのは「以前と同じように貢献できるか」「新メンバーが入社したと聞いたけど、子育てとの両立を理解をしてもらえるか。」という心配。特に幼い子どもは、急な発熱などで予定通りにいかないこともしばしば。そのたびに感じる申し訳なさは、多くの子育て世代が胸を痛める「共通のハードル」でもあります。
「休みをいただく際、申し訳なさに押しつぶされそうになったこともありました」
そんな彼女の心を溶かしたのは、上司・加賀(かが)さんの言葉でした。
「お互い様だから、気にしないで」
その一言は、単なる励まし以上の重みを持っていました。実際に江草さんが休む際は、加賀さんが業務をカバーし、SNSの予約機能を活用するなど、属人化させない仕組みを構築しています。井上社長もまた、そんな現場の空気を頼もしく見守っています。
「うちは『お互い様』で回る会社。誰かが困ったときに手を差し伸べるのは、特別なことではありません」
精神論で「頑張れ」と言うのではなく、背中を預け合える具体的な体制とマインドがある。だからこそ、江草さんは孤独を感じることなく、プロとして走り続けられたのです。

現在、22名の社員が産休育休を取得中(2026年2月末時点)。子育て中のママ社員も多数活躍しています。復帰後も不安なく働くことができる、わきあいあいとしたアットホームな環境です。
広報として、三陽工業の優しさを届けていく。自分らしい働き方の更新は、これからも続く
現在は時短勤務からパートへ勤務形態を切り替え、育児と仕事のバランスを繊細に調整しています。行事や突発的な事態にも、有給休暇や周囲の理解を力に変えて対応する。その表情には、かつての迷いはありません。
「三陽工業が『子育て世代にとって魅力的な会社』であることを、自分の経験を通してもっと伝えていきたいです」
今、彼女が見据えているのは、制度を利用する当事者から、その価値を証明する伝道師への進化です。
「江草さんのように、ライフステージが変わっても輝き続ける社員を増やすことが、三陽工業の強さになります。彼女のキャリアは、育休という”経験”を経て、アップデートされました。会社を続けていく中でこういった社員が増えるのは会社の資産です」
と誇らしげに語る井上社長。
仕事も子育ても、どちらも「私」を形作る大切なピース。三陽工業というフィールドであれば、親という役割も、ビジネスパーソンとしての責務ややりがいもどちらも果たしながら輝きを増していくはずです。江草さんが切り拓いた道は、きっと次に続く誰かの背中を優しく押す、希望の光になっていくのだと思います。
【おまけ:両立を叶えるモノ・コト】育児の悩みは「ママリ」でシェア。自分に余裕を作る「手抜き日」のすすめ
江草さんのリフレッシュ法は、育児アプリ「ママリ」で同じ悩みを持つ親たちの声に触れること。「自分だけじゃない」という共感こそが、明日への活力になります。また、週に数日は「家事を徹底的に手抜く日」をあえて設定。「そういう誰も文句は言わせないみたいな日を使って、自分に余裕をもらっています」。この潔さが、笑顔で家族と向き合うための秘訣です。