女性社員インタビュー

30代で大手企業からベンチャーへ転職。 新たな経験と価値観を探求する先にあるもの

  • 最終更新:2020/02/07

    誰もやったことがないことを誰よりも先にやる。ベンチャー企業ならではの広報の魅力


    株式会社3Backsが運営する『リバースラボ』は、若者をターゲットにしたキャリア再生プロジェクトだ。従来のビジネススクールや職業訓練校とも異なる画期的なサービスだが、認知度が低くターゲット層に具体的なイメージが伝わりづらいという課題を抱えている。これらの課題解決策を模索するのが広報宣伝部でSECTION MANAGERを務める佐久間良美さんだ。従来の広報のセオリーにはまらない柔軟な発想が求められる現場で、彼女がどのように業務に励み、キャリアを築いているのか話を聞いた。


    ファッションから福祉、そして若者のキャリア再生プロジェクトへ参画した異彩なキャリア


    株式会社3Backsが設立されたのは2009年11月26日、今年で10年という節目を迎える。「ヒト・モノ・コト」の再生を企業理念としているが、三浦尚記代表取締役がこのビジョンを抱くまでは紆余曲折があった。セレクトショップとITスクール事業からスタートし、2014年にはグループ会社となる株式会社ハローワールドを設立。翌年から障がい者の就労を支援する就労移行支援事務所を開所した。
    三浦代表はその頃からひとつの夢を抱くようになる。その想いが結実したのが、2017年より本格稼働しているリバースラボプロジェクトだ。

    「日本の若者の就労問題として学歴社会が今でも根深く残っているため、低学歴だと就職先が限られるという現状があります。やむを得ずフリーターや派遣社員といった不安定な雇用形態で働くほど、20代であっても正社員として就職することは困難になります。そんな若者たちを受け入れ、2年間の実務研修を通して実績も評価される人材に育て上げ、次の転職までをサポートする。それがリバースラボです。」

    福祉や教育に分類されるものだろうか。佐久間さん自身そのようなキャリアがあるのかと思いきや、福祉や教育分野でのキャリアはハローワールド社で広告業務に携わったのが初めてだという。3Backsの事業形態の変化とともに仕事内容が変わっていく中で、彼女はどのように楽しみながら仕事をしているのだろうか。


    なんでもウェルカム!広報宣伝部のSECTION MANAGERにチャレンジ


    佐久間さんのキャリアを振り返ってみる。LAの大学を卒業し、帰国後は某出版社に入社。ファッション誌の編集者としてキャリアをスタートさせ、その後ファッション関係のPRへとキャリアチェンジした。

    「発信する側とされる側、両者を共に経験したことから、さまざまなブランドのスタートアップにPRや広報担当として携わることが多かったです。ずっとファッション業界だったので、教育や福祉などのサービスPRは3Backsではじめて経験しました。今までの経験も活かしつつ、さらに仕事の幅が広がったなと感じています。」

    彼女はそう言って顔を輝かせた。

    リバースラボのプロジェクトの構想が打ち出された際、三浦代表から声をかけられた。サービス認知の拡大とオウンドメディアを運用するにあたり、ライティングスキルやPR経験があったため、広報担当者として適任と判断されたのだ。事業が急成長していく中で、業務内容が変化していくことに抵抗はなかったのだろうか。

    「抵抗はないですね。なんでもウェルカムなので(笑)。とりあえず、やってみないとわからないじゃないですか。経験していないことは、苦手意識を持たずにチャレンジしてみよう。そういう意識を大事にしているんです。」


    固定観念にとらわれない自由な発想。前例のないサービスをPRすることへの誇り


    好奇心は旺盛だったものの、昔は人見知りだったという佐久間さん。そんな彼女を大きく変えたのが、編集者としての経験だった。

    「バイト経験もなく、初めての仕事が編集アシスタントでした。当然ながら【仕事とはなんぞや】から【お金を稼ぐこと】の意味なんて考えたことがないまま業界に飛び込んだんです。出社1日目に、「この人達に電話取材して」と先輩から渡された紙には200人ぐらいのリストがあって。もう人見知りなんて言っている暇はありませんでした。今思えば、人見知り感が出たのは最初の1人だけでしたね。やるしかありませんでしたし(笑)。仕事柄さまざまな職種の人たちと関わり、今まで自分が知らなかった世界を体験し、経験を積ませて頂きました。そしてありがたいことに、周りには素晴らしい発想を形にできる方が沢山いて、多様な思考や仕事の在り方などを自然と学ばせていただけたことは今に繋がっていると思います。」

    その時の経験が3Backsでの業務にも役立っている。事業形態が変わって仕事内容や付き合う層が異なっても、出逢いを学びの機会にすることができた。

    リバースラボプロジェクトはあまり前例のないサービスだが、広報で困ることもあるのではないだろうか。佐久間さん自身、これまで培ってきた経験が活きる分野ではないことは想定していたそうだ。今まではメディア戦略や商品を売るための外向けのPRがメインだったこともあり、採用という社内につなげるPRは勝手がわからなかった。そこで外部のPR会社に協力を依頼し、ターゲットへのアプローチ方法などを学んだのだという。
    近年、企業における社内広報の位置づけが大きくなっていることは確かだ。佐久間さんも、プロジェクトのことを知ってもらうためには経験に依存するのではなく、新たな取り組みは欠かせないと強調する。


    ともに成長する喜びを。社員から会社を変える、会社から社会を変える


    佐久間さんには、自社のサービスが世間に認知されることは働く社員のモチベーションアップにつながるという持論がある。

    「外から見た時に何をやっているのかわからない会社って魅力がないですよね。だから、会社の見られ方を働く社員のために変えていく。企業広報はそういう部分で、とても重要なものだと感じています。」

    変化に富んだ10年間だった。佐久間さんは3Backsが立ち上がった当時のことをよく知っている。それこそ少人数でマンションの一室からスタートし、会社の規模とともに社員が一緒に成長していることを実感しているという。そんな彼女に今後の抱負を聞いてみた。

    「リバースラボのサービスを世の中に広めていき、学歴や職歴の関係ない社会にすることが私の夢であり目標です。さらに、社内で活躍する人材をもっと増やし、経験者がメインの採用から新卒・インターンも仲間として迎え入れ、若い力で会社を盛り上げていきたいです。」

    そして、もうひとつ大切にしていることがあると笑顔で教えてくれた。

    「3Backsを女性が元気な会社にすることです。男性社員が多い環境で女性社員が安心して働くことができる環境づくりは会社としても重点を置いており、女性を応援する制度も充実させています。たとえば、配属されている部署が異なり接点が少ないという課題に対しては、女子会制度を設け交流の機会を設けるなどの改善策を講じています。このような制度をもっと作っていきたいんです。前例がないことは、みんなやりたくないですよね。だからこそ、誰よりも最初にやりたいなと思うところはあります。」

    社員一人ひとりから会社は変えていくことできる。ベンチャー企業で働く醍醐味をきっと彼女は見つけている。力強く、そして嬉しそうに話す佐久間さんは、誰よりも会社の成長を楽しみにしているに違いないだろう。