女性社員インタビュー
「挑戦できる環境で仕事がしたい」 未経験業界に飛び込んだ30代企画担当トップの想い
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最終更新:2020/03/03
部署の立ち上げから企画、業務管理まで。マルチな活躍を支える持ち前のチャレンジ精神
転職サービスなのにサイト上にはゲームや漫画コンテンツがずらりと並ぶ。「paiza(読み:パイザ)」は、ユニークなコンテンツで知られるITエンジニア向けの転職・就職・学習サイトだ。この「paiza」を運営するpaiza株式会社でコンテンツ企画部長を務めている鹿野又裕子さんは同社に入社後、一人で企画部を立ち上げ組織が成長した現在もコンテンツマーケティングの指揮を執っている。今もなお、新たな挑戦を続けているという彼女に仕事の魅力ややりがいを訊ねた。
実力主義の転職サイトを盛り上げる企画責任者がキャリアに悩んだ過去
IT・Webエンジニア向けの転職・就職・学習サイト「paiza」では、求職者にプログラミングのテストを課し、スキルが高ければ書類選考なしで面接に進めるというサービスを提供している。この実力主義のコンセプトはエンジニアから広く支持されているという。現在では日本のITエンジニアの75%(※独立行政法人情報処理推進機構IT人材白書2012より推計)にあたる人数が登録する日本最大級のサービスだというから驚きだ。
そんな変わった仕組みの転職サイトは、コンテンツ内容も異彩を放っている。サイト内の求人案内の横にゲームや4コマ漫画が並んでいるのだ。鹿野又さんはコンテンツ企画部長として、入社後一貫してゲーム制作を中心とするコンテンツマーケティングに携わっている。paizaへ転職したのは2015年。前職では、ソーシャルゲームのディレクターを務めていた。
「転職前は、元々大企業の子会社だった企業で働いていました。社内ルールは旧親会社のものを踏襲していて、伝統的な日本企業の文化。年功序列で、昇進試験がありましたが、昇進は男性のほうが早かった印象です。女性はたとえ同じ成果を出したとしても、なかなか次の機会に恵まれない環境だったと思います」
成果を出していたにもかかわらず、裁量がなかなか大きくならないもどかしさ。提案が通らず苦い思いをすることも少なくなかった。
社会性の高いサービスを求め未経験の人材業界へ。経験を生かし最初の大型企画は大成功
そんな状況の中で転職を考え始めたころ、求人を探していて見つけたのがpaiza株式会社の求人だった。
「当時、『paiza』でプログラミング学習ができるゲームを作ろうとしていて、制作のノウハウを持つ人材を募集していました。転職するなら自分でルールを作っていけるようなベンチャー企業がいいと思っていましたし、社会性の高いサービスであることにも魅力を感じて入社しました」
人材業界という未知の世界に飛び込んだ鹿野又さん。当時、paizaにはエンタメ系コンテンツの担当者など1人もいなかった。
「あの頃は社員数も少なく、ディレクション専任のメンバーもいませんでしたからね。そこで入社時にコンテンツ企画部を立ち上げました」
たった1人でスタートした挑戦だったが、彼女が企画したゲーム感覚で学習が進められる『コードガールこれくしょん』は、気軽にプログラミングを学びたい人々の心をつかみ大ヒット。公開時のサービス登録者数が前年同月比960%増とpaizaの看板コンテンツとなったのだ。その後もコンテンツマーケティング全般を担当し、paizaの成長に貢献、2017年にはグループリーダーに昇格した。
親会社からの独立を機に、新たな課題に挑戦。二足のわらじで会社の成長を後押し
会社も順調に成長し、次のステージへ踏み出していく。2020年に親会社から独立し、自分たちらしいデザインのオフィスへ移転することになった。それまでバックオフィス業務については親会社の協力を得ていたが、独立を機に自社内で専門部署を作ることになった。この時、これまで以上に効果的、戦略的な業務管理を行うため、当面の責任者として鹿野又さんに白羽の矢が立った。彼女自身、「守りの業務」が手薄である社内の状況に危機感を抱いていたこともあり、積極的にその役割に手を挙げた。
「過去に総務業務をやっていた経験があったことに加えて、部門長として全社的な視点を持っているという点が担当することになった理由です。さらに、コンテンツ企画部立ち上げの際に行った制作体制や部署の基盤づくりなどが評価されたのかなと思います」
他に総務専任のメンバーは一人だけ。外部のコンサルタントやアウトソーサーと連携しながら、システムの移行やバックオフィスの実業務を当面の間担当することになった。もちろん、コンテンツ企画部長としての任を退いたわけではなく、二足のわらじ。想像していた以上のタスク量で、忙殺される日々だ。会社のステップアップとともに、鹿野又さんの新たなチャレンジも始まったのだ。
「いくら総務の経験があるとはいっても、会社の規模が違えばやることも変わりますし、求められる精度も高くなります。でも、できる限り効率的な運用にしたうえで次の人に渡せるように、改善できるところはしておきたいんですよね」。
会社の成長とともに自身の成長も実感。みんなで目標に向かって頑張れる会社を目指して
一方で、兼務し始めてから分かったこともあるという。
「総務メンバーは慣れないながらも本当にがんばってくれているし、コンテンツ企画部のメンバーは、私の手が回らない部分の集客施策をフォローしてくれています。今回のことは、いいチームだなと気付ける機会にもなったと思います」
今回の挑戦を通じて、自身がさらに成長できたと感じているそう。paizaの行動指針のひとつに「困難でも成長につながる選択をする」という項目があり、まさにそれを体現しているようだ。
「業務を通じて会社が大きくなるステップを実感できています。paizaは『自ら挑戦する人材の成長プラットフォーム』を目指しているサービスで、そんな会社の成長と自分の成長がリンクしているのは楽しいですね」
現在は経営レイヤーの一員として、組織づくりの課題に向き合う機会も増えた。MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の刷新やIPOを目指してのMBO、さらにリモート勤務をはじめとした働き方についてのルール改定などにも関われるようになり、今まで以上にやりがいを感じていると笑顔で語ってくれた。
最後に、今後やりたいことは何か訊ねてみた。
「在籍メンバーの半数近くが女性の会社なので、ライフイベントに左右されないような女性の働きやすさ向上に取り組みたいですね。すべての社員が一緒に目標に向かって頑張れる、そんな会社にしていきたいです」
まっすぐとこちらを見て語ってくれた鹿野又さん。彼女のチャレンジはまだまだ終わらない。