20210707_大畑陽菜_私のガクチカ

就活研究記事

  • 最終更新:2023/01/09

    こんにちは!カリフォルニア大学デイビス校をこの6月に卒業した大畑陽菜と申します。現在は22年卒として就職活動をしております。大学ではデザインを専攻していました。デザインと聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?Webデザインやインテイリアデザイン、プロダクトデザイン、ゲームデザイン……色々な種類がありますよね。最近は有名なデザイナーが手掛けたコンビニブランドのパッケージなんかも話題になりました。分野によってデザインする媒体や過程は大きく変わりますが、すべてにおいて共通するのは「人のために作るもの」ということです。この記事では、私がアメリカの大学に進学することを決めた理由、デザインを学ぶに至った過程と挑戦、大学生活を通して学んだことを皆様にお伝えしていきたいと思います。 

    やりたいことがわからず進路に迷った高校時代に見つけた新たな選択肢とは?

    「デザインを学んでいた」とお伝えすると、早くからデザイナーを志していたように聞こえますが、この目標がはっきりしたのは大学に入ってからのことです。幼少期からモノ作りは好きでしたが、それはあくまで趣味であり、仕事にするということは考えてもいませんでした。そのため、大学進学を考える高校時代にも、「自分の好きなこと」を「仕事にする」にはなり得ませんでした。だとしたら私は一体何がしたいんだろう。大学では何を専攻したらいいんだろう。やりたいこともわからないのに大学の専攻を選ばなければいけないことは、私にとってはとても苦痛なことでした。そんな時、在学中でも専攻を変えやすいアメリカの大学へ進学する選択肢に出会ったのです。親からの応援もあり、私は渡米を決断します。半年間の語学学校生活を終えて2年制大学に入学してからは、自分の興味関心や適正を探すため、一般教養科目を幅広く取りました。人類学や社会学、環境学、栄養学、宗教学、数学、英文学、歴史など、興味があるものから無いものまで。入学して最初の一年は、英語での授業についていくのに精一杯。ツールや作業場所がなかったことにより、モノ作りをする機会はありませんでした。

     「やっぱりモノ作りが好き」と再認識。そこで出会ったデザインの概念。

    そんな中、息抜きとして取ったデザインの授業で、やはり自分はモノ作りが好きなのだということを再認識します。今考えると、授業の内容はデザインというよりはほとんどが美術(アート)の授業で、配色や配置のセオリー、様々な画材を使った技法などが中心でした。しかし当時の私にとっては、人に見られる前提で作品を作るということは「アート」というよりは「デザイン」の考え方に近いと感じ、ここで初めて、デザイナーという職業を知ることになりました。「やはりモノ作りに関わることを専攻にしたい、そして将来的にそれに準ずる仕事がしたい」と思った私は、専攻を変え、デザイン学部のある4年制大学への編入を決意。この時、アートではなくデザインを選んだ理由は、画家のように自己表現として作った作品を公表することに抵抗があったからです。もちろん、アートとは自己表現だけではないので、当時の私は何も知らなかったとも言えますが、この選択に後悔はしていません。なぜなら、自分ではなく人のために制作することの大変さとともに、楽しさを知ることができたからです。

     デザイン未経験ゆえの苦労と挑戦による新たな出会い

    デザイン学部への編入を決めた後も一般教養を取りながら、編入に必要なデザイン関連の授業を取っていました。しかし、授業の内容はスケッチや絵画等のアート系の実技が多く、四年制大学で本格的に学び始めると、デザインについての知識やツールの経験不足に直面しました。そのため、アイデア出しの時点で煮詰まってしまったり、完成が近づいても改善の仕方がわからず、教授やTA(授業を補佐し、学生を助けてくれる大学院生)に助けを求め、フィードバックをいただく日々でした。制作物を人に見せることに少し慣れてきたころ、キャラクターのファンアート制作をはじめてみました。他人に絵を見せるなんて考えたこともありませんでしたが、SNSアカウントに絵を投稿しはじめると、同じ界隈の人と仲良くなり、なんとその方からイラストの依頼が来るように。依頼の中には、初めて使うツールや描く題材があり戸惑う作品もありましたが、依頼者からの「期待以上です。ありがとう」という言葉は、私に「人のためのモノ作り」の楽しさを与えてくれました。制作に夢中になった私は、「もっと人の心に響くようなデザインをしたい」という思いから認知心理学を学び、今に至ります。

     デザイナーとして学んだことと、経験からの精神的な学び

          大学生活で学んだことは、大きく分けて二つあります。一つはデザイナーとして必要な考え方や技術、もう一つは挑戦することと制作物を完成させることの大切さです。まずデザイナーとして学んだことは、デザインプロセスや技術はもちろん、課題を解決するデザインを作るために、課題に関することをどのようにリサーチするか、今回の課題解決にはどの分野のデザインが向いているか、ということです。例えば、暮らしをよくするという観点で言えばインテリアデザインや建築関連のデザインが重要ですし、Webサイトを改善してよりターゲットに届くようにしたい、ということならUI/UXデザインが得意な分野ということになります。次に、精神的な面で学んだことは、挑戦することと、制作物を完成させることの大切さです。アメリカに来たことも、英語が特に得意だったわけではない私にとって、大きな挑戦でした。在学中に専攻を変えることも、イラストを投稿することも挑戦です。何を作るにしろ、制作物を完成させない限り自分が納得できるかもわからないし、人からの反応ももらえない。するといつまでも成長する機会が得られないと思うのです。

          最後まで読んでくださった皆さんにお伝えしたいことは、挑戦を怖がらないでほしい、ということです。私もアメリカに来るまでは、失敗したくなくてあまり大きな挑戦はしてきませんでした。しかし、挑戦したからこそ得られたものや発見したことは多く、挑戦したからこそできた好きなことや、楽しい挑戦の連鎖もありました。今でも怖くて尻込みすることはありますが、やらずに後悔するよりやって後悔する精神で頑張っていきます。