安井想_私がインターンで得たモノ

私がインターンで得たモノ

【私がインターンで得たモノ】 働きたくないと思っていた男は今何を思うか

  • 最終更新:2021/03/08

    こんにちは。早稲田大学教育学部3年生の安井想です。大学では心理学を学んでおり、ゼミでは自閉症の人たちが就学や就職をしていく際、どのようなサポートを行うかなどを研究しています。私は「学生のうちから働くということはどのようなものなのか」「実践的な業務を指示された時、どの程度役に立てるのか」を知るためにインターンシップに参加しました。実は私、実践的なインターンに参加していたにもかかわらず、内心では「働かなくても生きていけるなら働きたくない」なんてことを常々考えているような人間でした。「お金を稼ぎ、ご飯を食べていくために必要なことだから働く」のであって、私にとって労働はそれ以上でもそれ以下でもない行為でした。こんな私でも、インターンシップを通して大きく考え方を変えられました。ここでは私がどのような変化を遂げたのかをお伝えしていきたいと思います。

    〜井の中の蛙、荒波に揉まれる

    1日目は指示内容通りに記事を執筆する仕事でした。文章を書くのが得意だったこともあってか、たいして苦労は感じず「これなら私もできる」と高をくくっていました。しかし、インターン2日目から暗雲が立ち込めてきます。初日のような指示内容通りに進める仕事から、「プラスカラーを広報して説明会参加者を3人募る」という業務に変わったのです。広報手段やアプローチの仕方などを全て自分で考えなければならず、初日とは全く違うざっくりとした業務指示に当惑しました。いくらTwitterでDMを送信し、ツイートで呼びかけても素人の広報文を気に留めてくれる人などいません。貪欲に数をこなしては挫折し、ようやく1人参加者を見つけられたときにはすでに広報を始めてから5時間以上が経過していました。正直な所、「結果が他人依存であるこんな業務などやってられない」と感じましたが、これが社会で実際に行われる”仕事”であり、「自分のやり方を正解にする努力」が必要なのだと思い知らされたのです。そう感じてからは、持ち前の行動力でPDCAサイクルを回し続け、1日をどう使うか、自分で策定したアクションプランをもとに試行錯誤し動き続けました。

    〜無職志望は業務を通して何を思ったか〜

    5日目以降は本社にお邪魔して、業務を任されることになりました。そこでは新規サービスのためのECサイト制作やYoutubeチャンネルの概要文作成など、「より深く社内に影響を及ぼす」業務を割り振られるようになりました。自分が作ったサイトや文章が確実に会社のために使われていく場面を目の当たりにして、私は「働くことの真の意味」に気づきはじめます。それは、働くということはただお金を稼ぐためではなく、「ほんの少しずつ社会に変化を及ぼすこと」であり、変化を伝える枠組みとして必要なのが「会社であり、就職すること」なのだということです。今までお金を稼ぐために働かなければいけないのだとばかり考えていた私は、いい意味で価値観や固定観念を壊されることになりました。それに気づかされてからは、次々に舞い込むタスクをこなし、共有し改善していく一連の流れに「社会人としての生きがい」を感じるようになってきたのです。それは人によっては「有能感」であり、「承認欲求を満たすもの」であり、「自信の獲得」とも言い換えることができます。インターンシップは、働くことの意義について私の価値観を大きく変える原点になったのです。

    〜インターンシップで見えた「存在意義」〜

    私は今まで、こんなちっぽけな自分が社会に出たところで何ができるのだろうかと考えていました。就職活動も有能な人材の上積みを掬い上げるドラフトのようなもので、今まで流されるように生きてきた自分がいくら取り繕ったところで採用されはしないと思っていたのです。しかし、インターンシップを通してECサイトのラフを作ることができるし、このように記事を書けることがわかりました。思えば私は、「企業で働くこと」について自分を過大評価し過ぎていたのかもしれません。新卒という有り余る力で世界を変えていくようなことをしていかなければならないなどと途方もないことを考えていました。しかし、そもそも社会に出て間もない人間が大改革を成し遂げることなど到底できないと思うのです。おそらく私たち新卒は、文章を書けと言われれば書けるし、新しく事業を生み出せと言われればない知恵を絞って考えます。全世界や宇宙の規模に比べれば途方もない小ささかもしれませんが、その業務は、会社にとっては確実に必要なことであり、結果社会を変えることにつながっていきます。それでいいのです。会社の役に立ったということが、最終的には大きな変化につながっていくのです。

    〜逃げるは恥だが、役に立つ。しかし恥である。〜

    私はインターンを通して、「働くこと」は「社会を徐々に変えていくことであり、会社の役に立つことで存在意義を得られるもの」だと考えるようになりました。ここまで劇的に価値観を変えられたことは未だかつてありません。この変化は、実際に社会に立ち、責任を持たされることでしか経験することができないものだと考えています。ここで貴方が今まで見過ごしにしてきたチャンスの数々を思い出してみてください。「エントリーシートを書くのが面倒だったから」「バイトとダブルブッキングした」「友達と遊ぶ予定があった」。理由はさまざまあると思います。後悔しましたか?後悔しているのなら、今開催されているインターンシップに飛び込んでみてはいかがでしょうか。どんなインターンシップでも、何人もの社会のプロが内容を練り、会議に掛け、試行錯誤を繰り返しながら私たちに提供してくれています。得られるものの大小はあれど、それは確実に貴方の中に何かをもたらすはずです。社会では、教え待ちでは何も得られません。今のうちから自分で何かを選び取り、行動することを意識するべきではないでしょうか。それが手軽にできるのが、インターンシップに参加することなのです。

    貴方がもし逃げる理由を探すためにこの記事を読んでいるのなら、何もアドバイスすることができません。この経験は、私が逃げずに踏み込んで手に入れたものです。重心を前に傾ければ自然に足が前に出るように、前に進むことは逃げることと同じくらい簡単です。この記事が少しでも貴方の背中を押したなら私としても本望です。いっそその力に身を任せて進んでみては??