• 最終更新:2021/02/12

    新型コロナによる不況で、厳しい経済状況が続いている現在。不況といってもどの程度の不況なのか、はっきりと理解できていない人が多いのではないでしょうか? 企業は社会全体の流れに強く影響を受けます。今後社会人となる学生が今の経済状況を理解することは、就活や人生設計において欠かせません。このコロナ不況について詳しく知ると同時に、学生がどのように行動するべきか考えてみます。

    データから見る現在の経済状況

    現在の日本の不況を表すデータとも言える数値が、10月8日に内閣府から発表されました。それは「2020年4月から6月の需給ギャップがマイナス10.2%」というもの。需給ギャップというのは経済全体の総需要と供給力の差のことで、国民がモノやサービスを予想よりも10.2%も買い控えている状況ということになります。
    2008年のリーマンショック時の需給ギャップはマイナス6.9%。当時の失業率は5.5%に及び、日本でも1万5千以上の企業が倒産。2000人以上の内定が取り消されました。その当時よりも、今の状況の方がより大幅にマイナス値が高くなっているのです。

    <参考>
    2020 年4-6月期GDP2次速報後のGDPギャップの推計結果について

    なぜデフレは不況につながるのか

    買い控えが起きているということは、現状はすでにデフレ状態にあると言えるのかもしれません。では、デフレの何が悪いのでしょうか。「デフレーションとは物やサービスの値段が下がり、お金の価値が上がっていくこと」と説明されることがあり良いことだと考える人がいますが、これはデフレによる影響のほんの一面です。
    デフレになると、値段が下がり続けるモノやサービスを、より安く購入しようと考える人が購入を控えるようになります。企業側は、それでも売るために商品を値下げ。値下げにより利益を出せなくなった企業は社員へ給料を払えなくなり、リストラや給料カットにつながります。さらに満足に給与をもらえない消費者は、不安定な状況から消費を控えるようになるのがデフレの影響です。

    コロナ不況の中、企業の対応は

    データが表す通り、未曾有の不況である今、業績悪化に苦しむ大企業のニュースが多く伝えられています。日本の航空業界最王手であるANAでも、満足に給与を社員に払えないことから副業を解禁。一般社員の年収を3割ほどカットするという報道がありました。
    また、みずほフィナンシャルグループでも給料削減のニュースが。これは週休3日から4日という働き方を認める代わりに、給料を80%から60%に引き下げるというものです。

    <参考>
    冬のボーナス初めてゼロ、全日空が労組に提示…一般社員の年収3割超減
    みずほFG 週休3~4日制導入へ 新型コロナで働き方見直し

     

    今、学生は何をするべきか?

    大企業ですら生き残るために多くの決断や改革を断行している中、学生がするべきことは何でしょうか? それは自分のスキルを高めることではないでしょうか。満足に給与が会社からもらえる保証がなくなった今、副業などを駆使してお金を稼ぐ必要があるからです。以前のように企業の看板だけで生きることが難しくなった現在、就職先をこれまで通りの価値観で探したり、“就社”したりする選択はリスクが高いのかもしれません。不況を生き抜くために、一人一人が自分の生き方を考え直す必要があります。

    不況の今、人生設計を見つめ直しては?

    需給ギャップのデータから、現在はリーマンショックを大きく超える不況である事は明らかです。多くの中小企業だけではなく大企業までもが、これから減給したり倒産したりするでしょう。この不安定な世の中で生きるために、時間に余裕のある学生の間で自分のスキルを高めることや、自分の看板で稼ぐ生き方について考えてみてはいかがでしょうか?

    ●現在はリーマンショックを超える不況
    ●会社が社員の雇用を維持できなくなっている
    ●不況で個人が生き抜くためには副業で稼ぐスキルが必要
    ●スキル形成や新しい生き方を今こそ考えるべき