経営破綻、海外法人立ち上げ、上場。二児の母である人事部長が激動の末に見つけた諦めない生き方
公開日:2026年7月7日
最終更新日:2026年07月05日
MOON-X株式会社
『キャリアか、子育てどちらを優先するか。』働くママであれば、一度はこの自問自答をしたことがあるのではないでしょうか。憧れの航空業界への切符をつかみ、喜びと希望に満ちた日々を送るなか直面した会社の経営破綻。激震が走った滑走路からの多くの新たな挑戦、そして幾度の嵐を乗り越え、現在はMOON-X株式会社の人事部長として「仕事も家庭も妥協しない、欲張る生き方」を背中で証明する池田さんの働き方を今回はノゾキミします。
池田さんのプロフィール
正社員
9:00〜18:00(フルタイム)
2人(10歳男の子・4歳男の子)
取得なし(入社前に他社にて経験)
取得なし(入社前に他社にて経験)
入社時よりPeople Operation部(人事部) 部長
フレックスタイム制、リモートワーク
大好きな会社がなくなるかもしれない恐怖。安定の看板を捨て、一人海外へ飛び込んだ「覚悟」
新卒で入社した憧れの航空会社。日本の空を支える誇りを胸に、池田さんはイキイキと働いていました。しかし、入社4年目に激震が走ります。経営破綻、そして上場廃止。「明日からこの会社はどうなるのだろう…」。昨日まで当たり前のようにあった日常と大好きだった会社が揺らぐ不安。そして自分の力ではどうにもできない悔しさや無力感が胸を強く締め付けます。しかし、この経験が原体験となってキャリアの考え方は大きく変化します。
誰もが将来の選択を迫られ組織が大きく揺れ動くなか、池田さんの心には強い想いが湧きあがりました。
「どんな大企業でも潰れる時は潰れる。ならば、どこの組織に行っても通用する、潰れない強い組織を自分の手で創れる人間になりたい」
ここから彼女の挑戦人生が幕をあけます。安定した環境を飛び出す決意を固め、単身ロンドンへ渡り転職。その後も、縁もゆかりもないマレーシアの地へ行き、現地での新法人立ち上げという、誰も正解を知らない過酷なミッションに身を投じました。
「ここで結果を出せなければ、自分のキャリアは終わるのではないか」
見知らぬ土地でのプレッシャーや孤独と向き合いながらも、池田さんは持ち前のタフさで前に進み続けました。チームとともに泥臭く走り抜けた結果、わずか1年で事業を黒字化。2年で100人規模の組織へと急成長させる実績を残しました。

新法人立ち上げのために単身渡ったマレーシア。見知らぬ土地での孤独とプレッシャーに葛藤しながらも、圧倒的な熱量で組織を引っ張り、わずか1年で黒字化を達成しました。
結婚を機に日本へ本帰国。キャリアを諦めず、未経験からスタートアップの世界へ
マレーシアでの仕事が軌道に乗り、充実した日々を送っていた池田さんに人生最大の決断が迫ります。それは日本で4年間、帰りを待ち続けてくれていた恋人(現在の夫)との結婚の選択。『このまま海外でキャリアを極めるべきか、それとも日本に帰って家庭を持つべきか』。天秤にかけるにはどちらも重すぎました。どんな人生を生きたいのか?と自問自答を繰り返し何度も葛藤した末、一つの答えに辿り着きます。
「結婚は代えがきかない。でも、キャリアならマレーシアでゼロから創れたのだから、日本に帰っても自分の実力でもう一度創ってみせる」
その覚悟と自分への信頼を胸に、帰国を決意。日本に戻った彼女が選んだのは、これまでの経験がそのまま通用しない「未経験からの人事」、しかもスピード感の激しいスタートアップの世界でした。
言葉通り、彼女の仕事への熱意がここから爆発します。未経験ゆえの知識不足を補うため、猛烈にインプットを重ねながら、スタートアップSaaS企業2社で人事の基盤を構築し、上場を経験。その裏では、1社目で第一子、2社目で第二子を出産するという、文字通り息つく暇もない怒涛の日々。キャリアのブランクを作る恐怖と戦いながら、「自分で選んだ道だから」と、常に高い当事者意識を持って激務と育児の境界線を走り抜けました。

2社目のSaaS企業でコロナ禍を経験し、リモートと育児と家事を両立。どちらかを選ぶことで、どちらかを諦めるのではなく、貪欲に人事としてやるべきことに邁進していきました。
迫り来る限界、私を救った夫のひとこと。「家も会社もひとつのチーム」という気づき
しかし、どれほどタフな池田さんでも、スタートアップでの激務と2人の育児を完全に両立させることは容易ではありませんでした。寝不足のまま朝を迎え、保育園への送り出しでバタバタと焦り、仕事中も常に時間に追われる日々。「本当にこれでいいのだろうか」と、頭をよぎることもありました。
しかし、そんな彼女の心を救ったのは、夫が掛けてくれたひとこと。
「会社の代表や周りの人たちが、こんなに君の復職をサポートしてくれているんだ。夫である俺ももっとできることをやるよ」
その言葉を聞いた瞬間、肩の力がスッと抜けていきました。「一人で抱え込まなくていいんだ」。この日を境に、池田家は「家族ワンチーム」へと生まれ変わります。
お互いの仕事をプロとしてリスペクトし合い、家事も育児も徹底的に「シェア」する。1日1回は必ず「ありがとう」と言葉に出して伝えるルールや、子どもたちの前では絶対にスマホを見ずに向き合う工夫など、日々の泥臭い試行錯誤から、家族の確固たる絆が形作られていきました。

休日は必ず家族・子どもとの時間を大切にする池田家。夫との「家族ワンチーム」の体制を築いたことで、家庭の時間は100%子どもたちと向き合い、愛情を注ぐ心の余裕が生まれました。
MOON-Xで体現する、強い組織。熱量ある仲間と働き方をアップデート
現在はMOON-XのPeople Operation部(人事部)部長として、約300名の社員を支えています。彼女が率いる人事チームは、4人中3人がワーキングマザー。
「子どもが熱を出して……」という予期せぬピンチも当然訪れます。そんな時、自然にタスクが共有される業務オペレーションは、池田さん自身が葛藤の中で痛感してきた「シェアの重要性」を組織に根付かせた結果でした。
「メンバーが余計なことにマインドシェアを奪われず、本当にやりたい仕事・やるべき仕事に100%集中できる環境を作りたいんです」
MOON-Xのミッションは「ブランドと人の発射台」。その中で池田さんが担う人事の仕事とは、ライフステージが変わろうとも誰もが人生の打席に立ち続け、可能性を広げられる組織の基盤づくりそのものです。
「だからこそ仕組みやカルチャーに本気でこだわっています。フレックスやリモートなど部門に応じた柔軟な働き方はもちろん、成長・評価・配置をデータドリブンで支える人事基盤の構築、AIなどのテクノロジーを駆使して徹底的な生産性向上にも取り組んでいます。限られた時間でいかに成果を出すか、会社全体で挑戦している最中です。
また、『女性活躍』や『両立』という言葉を一人歩きさせず、悩める世代へ『本当に両立できるし、キャリアも諦めなくていい』というリアルな姿を見せて、同じように奮闘する人たちの背中を押していきたいと思っています」
と熱く語る池田さん。強いパッションを持つママ人事部長がリーダーとなって、未来のリーダーたちが次々と飛び立つ「発射台」を自らの手でデザインし、組織の未来を創っていく――。池田さんとMOON-Xの挑戦は、まだ始まったばかりです。
子どもとの時間はスマホを置いて全力で。週末の「リフレッシュ」アイテム
平日の夕食は必ず家族揃って囲み、子どもの前では携帯を見ない徹底ぶりがこだわり。週末は八ヶ岳などの山や広い公園へ家族みんなで出かけ、アクティブに思いっきり体を動かすことが、最高のリフレッシュです。
MOON-X株式会社
- 設立年月
- 2019年8月1日
- 従業員数
- 294名(2024年12月末時点/連結)
- 女性従業員数
- 事業内容
ブランドの共創型M&A、ブランド事業、コンサルティング等
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