2億円プロジェクト推進と深夜の寝かしつけ。実体験から『家庭を大切にできる会社』を築いた新卒1期生社長
公開日:2026年7月21日
最終更新日:2026年07月21日
株式会社ビースタイルホールディングス
育休復職率「100%」が当たり前になりつつある現代。しかし真の課題は、復職後に直面する「子どもの突発的な発熱で、周りに迷惑をかけてしまう」という罪悪感や、個人の犠牲に頼る危ういバランスにあります。制度の枠組みがあっても、現場のフォロー体制まで構築できていないという企業も多いのではないでしょうか――。今回は、そんな現代の壁に対し、「家庭のバランスが崩れれば仕事も崩れる」と自身の実体験から学び、業務の属人化を減らす仕組みづくりを進めてきたビースタイルメディア代表・石橋さんの「誰も置いていかない」働き方をノゾキミします。
石橋さんのプロフィール
株式会社ビースタイルメディア 代表取締役社長
株式会社ビースタイルホールディングス 執行役員
9:00〜18:00(通常時の業務時間)
2人(10歳女の子・2歳男の子)
未取得
週1日在宅勤務
※正社員の場合は、育児・介護中の社員を対象としたフレックス制度【オクトワーク】や、 出社せずに、自宅などからリモートワークができる【在宅勤務制度 】などを活用できます。
「司令塔」としての原体験。同じ目線に立って作戦を練り、仲間を巻き込む楽しさ
幼稚園から小学校にあがる頃までの石橋さんは、家で一人黙々と絵を描くのが好きな、とても内向的な少年で、2つ上の優秀な姉の後ろをただそっとついて回るような子どもでした。小学2年生のときに友人に誘われて飛び込んだ少年野球をきっかけに、そんな彼の世界が変わります。手渡されたエースナンバー「背番号1」のユニフォーム。「自分を認め、責任ある場所を任せてくれた」。その強烈な喜びが原動力となり、少年野球チームへの参加以降一気に活発な性格へと生まれ変わります。
小・中学校で夢中になったサッカーでは、チーム全体を見渡す司令塔のポジションを任されました。一方的に指示を出すのではなく、仲間と同じ目線に立って作戦を考え、みんなを巻き込んでいく楽しさ。この少年時代の原体験が、のちの人生の大きな土台となっていきました。
大学卒業間近の4年の秋、「逆求人フェスティバル」での運命の出会い。周囲の企業が自社の良さばかりをアピールする中、当時設立3年目だったビースタイルの共同代表を務めていた、現会長の増村さんは違いました。「幼少期はどんな子だったの?」と、石橋さんという「人柄」そのものへ深い興味を注いでくれたのです。人に興味を持ってくれる姿勢に惚れ込み、「この会社に飛び込もう」と新卒1期生としての入社を決意しました。
役職の壁を感じさせず、誰とでも自然に打ち解ける石橋さん。少年時代のサッカー部から変わらない「同じ目線に立って作戦を練り、みんなを巻き込む」という司令塔のスタイルは、現在のフラットな組織運営にもいかんなく発揮されています。
2億円規模のプロジェクトで直面した組織課題。第一子誕生で気づいた個人に頼る働き方の限界
入社後は派遣事業部に配属され、飛び込み営業をはじめとする地道な営業活動に取り組みました。多忙な日々を送る中で、能力や意欲がありながらも、ライフステージの変化によって働き方に制約を抱える人たちに活躍の機会を届けるという事業の価値を実感。石橋さんは、この仕事に強いやりがいを感じるようになりました。
大きな転機が訪れたのは2015年。2億円を投資した「しゅふJOB」の全面刷新という巨大プロジェクトの最中でした。リリースをわずか1週間後に控えたタイミングで、方針や役割分担に関する認識のずれが生じ、プロジェクトの推進体制を見直す必要に迫られました。急遽、チームの再建を託されてマネージャーへと就任した石橋さん。しかし、引き継いだ組織は余裕がなく、心はバラバラな状態。
会社の未来を背負った重圧が両肩にズシリとのしかかる中、私生活でも第一子(長女)が誕生するという、人生の大きな節目が重なります。
「何としても結果を出さなければならない。でも、生まれたばかりの子どもや家族との時間も妥協したくない 」
当時はまだ、個々の頑張りに頼る場面も少なくありませんでした。毎日必死にコミットし、帰宅後は我が子の寝かしつけに向き合う日々。睡眠時間も削られ、心身ともに余裕を失うほどでした。この、目の前のことにただ全力で向き合い続けた期間こそが、現在の「誰も置いていかない組織」を作るための、すべての始まりとなったのです。

綺麗事だけではない、泥臭い葛藤と壁を這い上がってきた石橋さん。自身が「気合いの両立」で限界を感じた経験があるからこそ、現代の子育て世代が抱えるしんどさに実感を持って寄り添うことができます。
「それぞれが気合いで頑張る」からの脱却。家庭と仕事を両立するための「属人化しない仕組み」
「家庭のバランスがうまく整っていないと、仕事でいいパフォーマンスは発揮できない」
身をもって限界を知った石橋さんは、代表に就任後、根性論に頼る両立からの脱却を進めました。必要なのは、誰かが犠牲になることではなく、組織の「仕組み」を変えることだったのです。
石橋さんが徹底したのは「属人化を減らすための仕組みづくり」でした。誰がいつ突発的に休んでも、周りが自然とカバーして業務が回る自動化・仕組み化を構築していきました。
「子どもが急に発熱した」。そんな時、当日朝に夫婦でどちらが対応できるかを即座に調整し、石橋さん自身も商談など対面での対応が必要な予定を除き、会議をリモート参加へと切り替えることがあります。通常時から権限委譲を進め、「自分(代表)がいなくても回る体制」を率先して体現しているからこそ、家庭の事情が生じた際に相談しやすい安心感につながっています。
さらに、ビースタイルグループでは2023年には、早朝5時から夜22時の間で柔軟に中抜けや調整ができる「オクトワーク」を導入。夕食の準備や送迎のために一度仕事を抜け、子どもを寝かしつけた後に業務を再開するなど、家庭の事情に応じて柔軟に働ける制度です。石橋さんもこうしたグループの制度を活用しながら、メンバーが「早く抜けてすみません」と罪悪感を抱かずに働ける職場づくりを進めています。

石橋さんは、従業員が安心して働ける環境があってこそ、お客さまにもよりよいサービスを提供できると考えています。トップ自ら家族を大切にする姿勢を示し、家庭の事情が生じた際にも互いに支え合える組織づくりを進めています。こうした取り組みは、社内からも働き方の柔軟性として評価されています。
入社21年目。代表として示す背中が、後に続く人たちの「道」を照らす
現在、石橋さんには大切にしている毎朝のルーティンがあります。それは、娘の登校に毎朝寄り添い、学校まで一緒に歩く時間を作ることです。慌ただしい朝の中でもこの時間を大切にし、代表自らが家族を大切にする働き方を実践しています。
その風通しの良さは、組織の隅々にまで浸透しています。入社間もない広報メンバーが「グループのメンバーがどのように営業活動しているのか知りたくて」と雑談でこぼした際、石橋さんは「じゃあ営業同行できるか聞いておくよ」と即答。なんと5分後には現場から快諾メールが届きました。この距離の近さとスピード感こそが、ビースタイルの日常です。
「『子育て中だからキャリアは難しい』と諦める必要は全くない。家庭との両立を図りながら、一人ひとりがそれぞれの状況に応じて力を発揮し、働きやすさと働きがいの両方を感じられる環境を整えていきたいです」
女性の育休取得率100%・復職率100%を誇るビースタイルグループ。石橋さんの次なる目標は、「働きやすさ」という土台の上で、子育て世代を含む一人ひとりがさらに「働きがい」を持ってキャリアを築いていける未来へのアップデートです。自身の経験を組織づくりに活かしながら、「誰と、どのような想いで働くか」を大切にする仲間との出会いを待っています。
#子育てのコト:仕事と子育てを両立させる、石橋家の小さな工夫
子どもとの関係性構築は“同じ土俵”に立つことがカギ。休日は全力YouTuberごっこ。
「特に時短テクはないですが、娘と同じ習字教室に通って進級をゲーム感覚で競ったり、2人だけの非公開設定でYouTuberごっこを動画撮影して楽しんでいます。心の余裕があるからこそ、短い時間でも毎日意識的に娘と一対一で向き合う時間を作れています」
株式会社ビースタイルホールディングス
- 設立年月
- 2020年2月14日 ※2002年7月5日ビースタイルグループ創業
- 従業員数
- 421名(パート含む)(2026年4月1日時点)※連結
- 女性従業員数
- 事業内容
求人メディア事業(「しゅふJOB」の運営)
人材サービス事業(時短・パートタイム型派遣、人材紹介、ハイスキル人材の派遣)
DX支援事業(RPA導入等による中小企業の生産性向上支援)
特例子会社運営
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