男性育休の先駆者!双子育児中JFEエンジニアリング研究職パパの「10ヶ月育休」のリアル
公開日:2026年6月15日
最終更新日:2026年06月14日
JFEエンジニアリング株式会社
産休・育休からの復職後に、キャリアと家庭の双方でステップアップを目指す子育て世代。しかし、そこにはイレギュラーな事態や葛藤など、多くの壁が存在します。仕事も育児も妥協したくないと願うのは、本当に「贅沢」なことなのでしょうか。今回は、双子の3歳児を育てながらJFEエンジニアリング株式会社で研究職として活躍する井村さんの日常をノゾキミしました。そこには、制度の枠組みを超えた、人と組織の温かい絆がありました。
井上さんのプロフィール
正社員
8:00〜16:45(フルタイム。状況に合わせてフレックス)
2人(3歳の男の子と女の子)
・産後パパ育休:2023年3月27日(月)~4週間 ・育休:2023年6月12日(月)~6か月 ※産後パパ育休から育休の間は、妻と子供は妻実家(広島)で育児をお願いし井村さんは 横浜にて勤務。当初育休終了日は8月31日(木)までと予定していたが、11月末まで延長。
技術本部 総合研究所 / 主任研究員
【育児・介護事業所外勤務制度】育児を事由とした在宅勤務制度
ものづくりの原点と、双子誕生という「愛おしい激変」
静岡県の自然豊かな町で生まれ育った井村さんは、幼少期から実家の商店にあった段ボールを使って工作に熱中する、ものづくりが大好きな少年でした。大学進学を機に上京し、化学を専攻。「環境に優しい再生可能エネルギーに携わりたい」という学生時代からの強い想いが原動力となり、環境分野に強みを持つJFEエンジニアリングへ入社。
現在は入社12年目を迎え、将来の新技術開拓から既存部門の支援までを幅広く担う、研究チームの要となる存在です
そんな井村さんの生活の軸が大きく動いたのは、3年前のこと。双子の長男・長女が誕生した瞬間でした。「ハマるとトコトン極める」性格の井村さんですが、さすがに双子の子育ては想像を超える未知の世界。実際、一人が泣き始めると連鎖して2人同時に泣き出してしまったり、食事やお風呂も寝かしつけも同時進行。双子育児あるあるに、途方に暮れる夜もありました。
大学院時代の過酷な研究環境をタフに乗り越えてきた彼だからこそ、入社後に実感した「定時でしっかりと帰れる環境」には、深い感謝の念を抱いています。この温かい職場文化があったからこそ、未知なるライフステージへも勇敢に飛び込むことができたに違いありません。

かつて段ボール工作に熱中した少年は、今や1つの技術をとことん追求する研究員として、会社の未来を担う頼もしい存在へと成長を遂げています。
現場熱量と、自宅の静寂。ハイブリッドワークが生む奇跡
井村さんの1日は、工場内にある実験棟と自宅のデスクを巧みに使い分けることでバランス良く機能しています。
出社する日は、実験専任スタッフや専門職のメンバーと「ここをもう少しこう変えてみよう」と対面で熱いディスカッションを重ねる時間は、言葉の細かなニュアンスや装置のリアルな挙動を肌で感じるための、五感を使う聖域です。
一方で、在宅勤務の日には一転して、プロジェクトの予算管理やプログラミング、幹部へ提出する緻密な説明資料の作成など、PCに向かって深く集中する作業を中心とした業務。
「若手は実験を中心に学ぶため出社が多く、中堅の子育て層は在宅を組み合わせて効率的に働く。それぞれのライフステージに合わせた最適な働き方を、お互いに認め合える空気感があります」
井村さんの言葉通り、そこには社員同士支え合う、無言の信頼関係が存在しています。制度がただ機能しているのではなく、メンバーの状況を相互に思いやる「職場の優しさ」そのものが、研究を前に進める大きなエネルギーになっています。

JFEエンジニアリングでは、最先端の研究に没頭できる環境だけでなく、社員一人ひとりが私生活も大切にできるよう、無理のないスマートな業務設計が徹底されています。
前例なき「10ヶ月男性育休」への挑戦。ピンチを救った上司の言葉
双子が誕生した当時、井村さんの周りでは長期におよぶ男性育休の取得事例はほとんどありませんでした。周囲への申し訳なさ、キャリアへの焦り。井村さん自身も「本当に自分が長期で抜けても大丈夫なのだろうか」と、大きな不安を抱えていた胸の内を明かしてくれました。
しかし、その懸念を払拭したのは、直属の上司が放ったあまりにも心強い一言。
「全然問題ないよ。育児、頑張ってきてください」
嫌な顔ひとつせず、家族の元へ快く背中を押してくれた上司の優しさに、どれほど救われたことでしょうか。当初は半年間の予定だった育休ですが、生後6ヶ月を迎えた双子の育児はまさに壮絶を極めます。夫婦だけでこれ以上を乗り切るのは難しいと判断し、「年内まで延長させてほしい」という急な相談を持ちかけました。その時も、会社は柔軟に対応し、結果として合計10ヶ月間のパパ育休を取得することになります。
一人の社員のSOSに対して、ここまで柔軟に、そして温かく手を差し伸べられる企業が日本にどれだけあるでしょうか。井村さんが勇気を持って前例となったことで、後に続く若い世代の男性社員が「自分も育休を取りたい」と言い出しやすくなる素晴らしい循環が、確かに生まれ始めています。
復職後も、お互いの実家が遠方で頼れないという厳しい現実の中、夫婦二人の「割り切りと効率化」で毎日を駆け抜ける日々。子どもの突然の熱や体調不良時には、有給休暇や在宅勤務、さらに「中抜け制度」をフル活用しています。夫婦で午前・午後を交代しながらお迎えや通院に対応するその姿は、まさに2人で挑む最強のチームプレイです。

育休取得を快く送り出してくれた上司の理解が、井村さんの背中をあと押し。職場の温かい雰囲気が、長期育休という前例のない大きな一歩へとつながりました。
希望者全員が育休を取得できる会社を目指して。一歩ずつ、アクティブな未来へ
井村さん個人の挑戦から始まったJFEエンジニアリングの男性育休は、今や会社全体の大きなうねりへと進化を遂げていました。
会社が「希望者全員が希望通りの育休を取得する」という強い方針を明確に掲げ、上司向けの研修などを徹底した結果、2025年度には出生122人中88人の男性社員が育休を取得。取得率は72.1%にまで急伸し、平均取得日数も64日を記録しました。企業内保育園の運営や、育児にも使えるカフェテリアポイント付与など、国よりも一歩早いスピードで支援の輪は広がり続けています。
「子どもたちが小学校に上がるまでは、今のフレックスや在宅勤務といったありがたい制度を最大限にお借りして、しっかりと両立の足場を固めたいと思っています」
そう先を見据える井村さんの視線は、さらにその先の、自身の輝かしいキャリアの未来をも見つめています。
「子育てが少し落ち着いたら、今は家族への負担を考えてセーブしている海外の学会への参加や、よりアクティブな出張、外部連携の仕事にも段階的に復帰していきたいですね」
家庭を決して犠牲にせず、かと言って自身のキャリアの炎も消さない。そんな前向きな「働き方のアップデート」を、この会社なら全力で応援してくれる。その確信があるからこそ、井村さんの表情はこれほどまでに生き生きとしているのだと、取材を通じて強く胸を打たれました。
#時短ワザ「"やらないこと"を決めるのが、双子育児のコツ」
「あえて手の込んだ料理は作らないと決めています。子どもに着せる服もパターン化して、毎朝の支度で迷う時間をなくしました。ドラム式洗濯機も、双子育児には欠かせない相棒ですね」
JFEエンジニアリング株式会社
- 設立年月
- 2003年4月1日
- 従業員数
- 4,063名
- 女性従業員数
- 574名
- 事業内容
総合エンジニアリング企業として、環境・エネルギープラント・橋梁・沿岸構造物、原動機・クレーンなどの産業機械に関する設計・調達・建設とプラントの運転・維持管理、リサイクル・発電事業などの事業運営を展開